2018年度 大学院「社会的相互行為論(文化変動論)」「社会的行為論」
社会的相互行為の構造: 会話データの利用法

重要なお知らせ



時間: 火曜日 12時10分から14時00分まで(初回4月10日のみ12時50分開始)
教室: 文学部棟4階 Bゼミ室
担当: 西阪 仰
E-mail: augnish(α)chiba-u.jp

テーマについて

この授業では、いわゆる「エスノメソドロジー」に方向づけられた相互行為分析の基本的な構えと考え方について考えてみたい。

エスノメソドロジー的相互行為分析は、わたしたちが日々出会う様々な事柄を、非常に強いいみでの「社会現象」として、厳密にかつ経験的にみる態度である。社会学は、たとえばどうして都市では農村より自殺率が高いのかを説明しようとしてきた。しかし、そのような説明をこころみる以前に、そもそもそこで説明されようとしている事実がどのようにして、そのような「事実」としてそこにあるのか、ということ自体、ひとつの「社会現象」として探求することができる。つまり、そもそも特定の死が「自殺」であるのはいかにしてかを探求できるはずだ。そもそも、ある特定の死に「自殺」という概念が当てはめられるのは、どのような手続きによってなのか。その死にその概念を当てはめることで、わたしたちは何をやっているのか。このような探求はすぐれて「社会学的」な探求である。

具体的には、「会話分析 Conversation Analysis」と呼ばれる技法を学ぶことを通して、人間は行為をどのように組み立てているのか、周囲のものごとをどう知覚し理解しているのか、などを1年間じっくり考えていきたい。

使用テキスト


授業計画

第1週

テーマ

自己紹介
相互行為分析分析という視点

テキスト

参考文献

宿題 1(出題 第1週; 提出 第2週)

ゴッフマンの『集まりの構造』(70[最低50]ページまで)を読み,読書ノートを提出する.

第2週〜第3週

テーマ

方法の中の「理論」: どうして細かい会話のトランスクリプション(転写)が必要なのか。

テキスト


第4週〜第8週

テーマ

会話の順番交替システム(Turn-Taking System)

テキスト

宿題 3-1(出題 第4週; 提出 第5週)

順番交替論文を読む: 質問リスト1への答えを提出

宿題 3-2(出題 第5週; 提出 第6週)

「順番構成単位」を特定する練習

宿題 3-3(出題 第5週; 提出 第6週)

順番交替論文を読む: 質問リスト2への答えを提出

宿題 3-4(出題 第6週; 提出 第7週)

実際に会話の中でどのように順番の交代が行なわれているかを観察する練習

宿題 3-5(出題 第6週; 提出 第7週)

順番交替論文を読む: 質問リスト3への答えを提出

宿題 3-5(出題 第7週; 提出 第8週)

順番交替論文を読む: 質問リスト4への答えを提出

第9週〜第14週

テーマ

シークエンスの組織(Sequence Organization)

テキスト

参考文献

宿題 4-1(出題 第9週; 提出 第10週)

隣接ペアを見分ける練習

宿題 4-2(出題 第9週; 提出 第10週)

先行連鎖を見分ける練習

宿題 4-3(出題 第9週; 提出 第10週)

挿入連鎖を見分ける練習

宿題 4-4(出題 第10週; 提出 第11週)

連鎖組織の分析練習

宿題 4-5(出題 第11週; 提出 第12週)

プレプレ論文を読む: 質問リスト1への答えを提出

宿題 4-6(出題 第12週; 提出 第13週)

プレプレ論文を読む: 質問リスト2への答えを提出

宿題 4-7(出題 第13週; 提出 第14週)

プレプレ論文を読む: 質問リスト3への答えを提出


道具箱