教室: 立教大学池袋キャンバンス 6301(6号館3階)
担当: 西阪 仰
E-mail: augnish(α)chiba-u.jp
重要なお知らせ
- 11月17日
11月27日のための宿題を第6週にアップしました.またテキストは,第8週にリンクがあります.
- 9月10日
授業ホームページを立ち上げました.まだ暫定的なものです.課題や資料はこちらにアップします.受講生は定期的に確認してください.
このページの目次
この授業では,エスノメソドロジー的相互行為分析,とくに「会話分析」と呼ばれる分析法の基本的な考え方と方法を体系的に紹介する.会話分析のこれまでの知見は多岐にわたる.多くの知見は,会話のなかで,あるいは会話をとおして何が達成されるかにかかわっている.それに対して,発言順番の交替はどう成し遂げられるか,あるいは発言順番はどうのように連なっていくかは,会話(もしくは発言にもとづく相互行為)そのものの組織にかかわる問いである.この授業の前半では,発言順番の交替の組織連鎖にとくに焦点を合わせる.
順番交替の組織の諸相について考察したあと,授業の後半では,相互行為のなかで,相互行為の進行を停止しながら,発言に関わる修復がどのように行為が組み立てられるかを考える.
いずれの組織も,会話分析が「発見」した会話の基礎組織である.この会話の基本的な仕組みが,個々の事例のなかで,どのように実現され,運用されているかを,丁寧に見ていきたい.
会話分析は,実際の会話の録音・録画を,発話の重なりやわずかな沈黙を見逃さずに,詳細に検討する.そのような詳細な分析がなぜ必要なのか,人間の行為にとって,そのような細かなことがらはどのような意味があるのかを理解するとともに,会話分析の分析方法に親しむことを,目標とする.
毎回,読書課題もしくは分析課題が出る.読書課題は,数時間かかるものがあるので,早めに取り組むこと.分析課題は,30分から1時間ほどでできる.授業では,この課題にもとづき議論を行なう.成績評価は,毎回の課題と,それにもとづく発言によって行なう.一つでも未提出の課題がある場合は,単位を認定しないので,注意すること.
- H.サックス他『会話分析基本論集』(世界思想社)
- (参考)E. A. シェグロフ(西阪編・訳)『会話分析の方法』(世界思想社)
- (参考)G. サーサス他 『日常性の解剖学』 (マルジュ社)
- (参考)H. ガーフィンケル他『エスノメソドロジー』(マルジュ社)
- (参考)西阪仰『相互行為分析という視点』(金子書房)
- (参考)西阪仰『心と行為』(岩波書店)
- (参考)西阪仰『相互行為分析という視点』(金子書房)
- (参考)西阪・上野『インタラクション』(大修館書店)
- 他のテキスト・参考資料は適宜授業ホームページを通して配布する.
第1週
テーマ
1. オリエンテーション
2. 順番という考え方
3. 細かく見ることの意味
参考文献
宿題1(出題 第1週; 提出 第2週※)
a. サックス他「会話のための順番交替の組織」を読む: 次の質問リストのうち,2,5,6,7,8,9に答えなさい.
順番交替論文質問リスト
b. 分析課題: データ「S001_008」(第2週資料にリンクあり)の最初の2ページの「可能な完了点」(「完了可能な点」)をすべて示しなさい.
※ 宿題は,(できれば)前日までにaugnish(α)chiba-u.jpに提出してください.
第2週
テーマ
順番構成単位
テキスト
資料
宿題2(出題 第2週; 提出 第3週※)
a. サックス他「会話のための順番交替の組織」を読む: 次の質問リストのうち,10〜17に答えなさい(質問数はやや多いですが,テキストのページ数は,さほど多くないので,がんばってやってください).
順番交替論文質問リスト
b. 分析課題: 第2週の資料「TCU断片集」1頁目の各問に答えなさい.
※ 宿題は,必ず前日までにaugnish(α)chiba-u.jpに提出してください.整理の都合上,ファイル名に名前と週数を必ず入れ,ファイル本文にも名前を入れておいていただけると助かります.
第3週
テーマ
順番構成単位 2
資料
テキスト
宿題3(出題 第3週; 提出 第4週)
a. サックス他「会話のための順番交替の組織」を読む
b. 分析課題
テーマ
順番割り当て技法
資料
テキスト
宿題4(出題 第4週; 提出 第5週)
a. サックス他「会話のための順番交替の組織」を読む: 次の質問リストのうち,42〜51に答えなさい(今回も多いですが,がんばってやってください).(また可能な限り飛ばした部分も読み,うまく理解できないところを質問としてまとめなさい.)
順番交替論文質問リスト
b. 分析課題: 第5週の資料「順番割り当て技法」1頁目のすべての答えなさい.
第5週
テーマ
順番割り当て技法 2
資料
テキスト
宿題5(出題 第3週; 提出 第4週)
a. サックス他「会話のための順番交替の組織」を読む: 次の質問リストのうち,54〜59に答えなさい(今回も多いですが,がんばってやってください).(また可能な限り飛ばした部分も読み,うまく理解できないところを質問としてまとめなさい.)
順番交替論文質問リスト
b. 分析課題: データ「S001_008」(第2週資料にリンクあり)の最初の2ページのなかから,(1)「証明手続き」として使えるもの,(2)「受け手に合わせたデザイン」の例となるものを,それぞれ
ひとつずつ選び,どのような意味で/どうしてそう言えるか,それぞれについて記述を試みなさい.
テーマ
1. 会話における順番交替の諸特徴
2. 分析の証明手続き
テキスト
宿題6(出題 第6週; 提出 第7週)
a. サックス他「会話のための順番交替の組織」を読む: 授業で検討しなかった部分について質問があれば,まとめておく(任意)
b. シェグロフ他「自己訂正の優先性」を読む: 176ページまで読み,下の質問リストの3〜7に答えなさい(7は,前半部分のみで結構です).
修復論文質問リスト
b. 分析課題: 第8週の「修復組織事例集」1〜2ページの(1)(3)(7)(10)の4つについて,a)トラブル源はどれか,b)修復開始はどこでなされているか(開始部分をピンポイントして示す),c)修復操作はどこでなされているか,d)それはどのようなタイ
プの修復操作か,e)修復区域(修復活動)はどこで終わっているか,をすべて述べなさい.
a. 分析課題:
b. 復習課題: 前回の録音を聞き直し,わかりにくいところについて,質問をしてください.
a. シェグロフ他「自己訂正の優先性」を読む
b. 分析課題
a. シェグロフ他「自己訂正の優先性」を読む
b. 分析課題
1. 第三の位置における修復開始
2. 第三の順番における修復開始
2. 第四の位置における修復開始
a. シェグロフ他「自己訂正の優先性」を読む
b. 分析課題
1. 修復開始機会空間
2. 相互行為と修復
ここでは、私が相互行為分析を行なうにあたり重宝している(というより、いまや不可欠となっている)道具をご紹介します。いずれもフリーです。基本的な道具ですが、もちろんなによりも、あなた自身の分析技術を磨くことがもっとも重要です。この点をお忘れなきよう。