この財団は,エスノメソドロジー・会話分析の研究に携わる若い研究者もしくは研究者志望者を支援するために設立されました.わずかですが,助成金を支給することと,分析のための基礎的なトレーニングの機会を提供することを,主な柱として活動しています.
予定
- 江原由美子さん講演会
2026年1月19日月曜日 18時より20時まで
- タイトル:「ことばにならないもどかしさ」に導かれて―「からかいの政治学」から「社会契約論批判」まで―
- 講演形式: オンライン
- 講演概要: 講師の江原由美子氏は,主にジェンダー研究やフェミニズム領域で仕事をして来られました。今回は、長年にわたるそうした活動の背後にあった問題関心に焦点を当てて、お話をしていただきます。初期の仕事の「からかいの政治学」では、メディアからからかわれたウーマンリブ活動家が、メディアに抗議することが困難なくやしさを募らせる様を描き出しました。その後、セクシュアル・ハラスメントや、シングル非正規女性問題なども論じて来られ、最近は近代啓蒙思想に孕まれた性差別問題を論じられています。例えば,「近代市民革命に於いて人権という思想が力強く宣言されたはずなのに、なぜ近代社会は、まずは女性参政権を1世紀半も認めず、さらに女性参政権成立以降も、女性の人権の根幹であるはずの『身体の自由』を侵害する
DV等の暴力を放置したのだろうか」という問題です(参考: https://www.toibito.com/toibito/articles/近代化とフェミニズム)。これらの研究はみな、性差別を許容しあるいは助長することで、女性を「ことばにならないもどかしさ」に陥らせてしまう思想的な「しかけ」を読み解こうとする共通の問題関心に導かれていると、江原氏は振り返ります。
- 参加費: 無料(ただしご寄付を歓迎します.ご寄付は,emca若手研究者への助成のために使わせていただきます.)
- 登録方法: こちらからご登録お願いします.整理の都合上,1月10日までにご登録ください.
過去の講演会
- 串田秀也さん講演会
2025年7月4日金曜日 17時より19時まで
- タイトル: 「問題なし」と「原因未解明」―残余症状のある正常な検査結果の伝達と患者の抵抗―
- 講演形式: オンライン
- 講演概要: 現代医療において、臨床検査は医師が診断を下すための重要な手段である。だが、医師はときに、検査をしたが患者の症状を説明できる異常は見出されず、かといって患者に分かりやすい良性の診断を下せるわけでもないという状況に直面する。本研究では、大学病院の総合診療科で医師がそうした状況において検査結果を伝える2つのやり方(「問題なし」報告と「原因未解明」報告)を比較し、それらが検査結果や診断に対する患者の抵抗を異なる形で方向づけることを示したい。
- 参加費: 無料(ただしご寄付を歓迎します)
- 登録方法: こちらからご登録お願いします.整理の都合上,6月30日までにご登録ください.
以下は,この財団が主催するセミナーの案内です.(受講料の50パーセント以下を講師の謝金[準備費用の補填等]に用い,残りから掲載費用等を差し引いた額は,財団の基金に組み込みます.)
予定
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